8月2日の書庫

本の感想を書くブログです。

は行の作家

星野青『月光川の魚研究会』感想

星野青『月光川の魚研究会』を読みました。 写真が付けられた小説は無条件に良い、というのは過言であるが、内容抜きで本の体裁としてそういう本が私はとても好きなのである。 月光川の魚研究会というのは、聞き馴染みない言葉、どうやらバーの店名らしい。…

ライマン・フランク・ボウム『オズの魔法使い』感想

ライマン・フランク・ボウム『オズの魔法使い』を江國香織訳で読みました。 児童文学のジャンルだろうけど、面白く読めた。幼心に、北と南に善い魔女がいるならば、どうして東と西の魔女を倒さないのだろうと思っていたのだけれど、考えた結果、以下の二点か…

キム・ハナ、ファン・ソヌ『女ふたり、暮らしています。』感想

キム・ハナ、ファン・ソヌ『女ふたり、暮らしています。』を読みました。 年末から読み始めていたのでどうにか2022年内に読み終えたかったところではあるけれど(というのも、そうすると2022年に読んでよかった本に挙げることができるから)ようやく読み終え…

イーディス・パールマン『蜜のように甘く』感想

イーディス・パールマン『蜜のように甘く』を読みました。 日本での刊行は2020年ですけれど、私が読んだのは2022年で、その上で言います。 2022年読んだ本の中でトップ5に入ります。最高だった。濃密な読書体験でした、以上です。

平出隆『私のティーアガルテン行』感想

平出隆『私のティーアガルテン行』を読みました。 ティーアガルテンというのはドイツ語で「(小型の)動物園」らしい。とはいえ、動物園のことに関する本ではなく、本文中の言葉を借りるなら「わが迷宮のいくつもの入口の部分について」の本である。 エッセ…

ばったん『姉の友人』感想

ばったん『姉の友人』を読みました。 ※ネタバレ?あるかもしれないから注意してください いつぞやから気になっていて、気になったことを忘れること何回目、ようやく買って読んだ。端的に言って、描かれてる人間の線が好きだ。 決定的な瞬間が決定的に描かれ…

春日武彦, 穂村弘, ニコ・ニコルソン『ネコは言っている、ここで死ぬ定めではないと』感想

春日武彦, 穂村弘, ニコ・ニコルソン『ネコは言っている、ここで死ぬ定めではないと』を読みました。 医者・作家の春日さんと歌人の穂村さんの死をめぐる対談集。そして挿絵として漫画やイラストをニコルソンさんが担当している。絵が可愛い。お二方(春日、…

長谷部千彩『私が好きなあなたの匂い』感想

長谷部千彩『私が好きなあなたの匂い』を読みました。 長谷部さんの『メモランダム』の雰囲気が好きで、手に取った二冊目の本です。雑誌に連載されていた短い物語がたくさん集まった本です。そういう性質上、細かく何日もかけて読むのがいいのではないかと思…

平野啓一郎『マチネの終わりに』感想

平野啓一郎『マチネの終わり』を読みました。 ネタバレになると思いますので読もうと思っている人は注意ください。 私は元来、勘違いや誤解をベースとした物語が苦手です。コントなどお笑いのネタでもあることですし、ドラマやアニメなど創作にも登場すると…

エーリッヒ・フロム『生きるということ 新装版』感想

エーリッヒ・フロム『生きるということ 新装版』を読みました。 『愛するということ』とセットで本屋に平積みになっていた気がします。。そして『愛するということ』の方が平積みの山は低め(つまり捌けている?)印象。あくまで私の印象です。いずれは『愛…

灰とワインレッド/エレン・フライス『エレンの日記』

エレン・フライス『エレンの日記』を読みました。 エレンの日記 作者:エレン フライス 発売日: 2020/03/03 メディア: ハードカバー 関係が無いのだけれど「エレンの日記」で調べると、ホラーゲーム『魔女の家』関連の本がヒットするのが面白い(私はまだ遊ん…

平庫ワカ『マイ・ブロークン・マリコ』感想

平庫ワカさんの『マイ・ブロークン・マリコ』を読みました。 マイ・ブロークン・マリコ (BRIDGE COMICS) 作者:平庫 ワカ 発売日: 2020/01/08 メディア: Kindle版 すげー漫画だった。 読み終わって頭の中でガンガン鳴っているのは「疾走感」とい…

文章と写真と/長谷川千彩『メモランダム』

長谷川千彩さんの『メモランダム』を読みました。 メモランダム 作者:長谷部 千彩 発売日: 2016/09/21 メディア: 単行本 とある書店の本棚を5周くらいして「ああ、今日は出会えなかった、無理だわ。もう帰る」と帰りかけたところ、名残惜しくてやっぱりもう…

「わからない」の発掘作業/穂村弘『君がいない 夜のごはん』

穂村弘さんの『君がいない 夜のごはん』を再読しました。 dorian91.hateblo.jp 読み直しなのは自覚していたけど感想もちゃんと書いているとは思わなかった。といっても、内容の大部分は忘れているので楽しめるのですが。 エッセイを読むテンションというのは…

本多孝好『dele3』感想

本多孝好さんの『dele3』を読みました。 dele3 (角川文庫) 作者: 本多孝好 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2019/06/14 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る dele2の続きがまさか紡がれるとは…。今回も面白かったです。 リターン・ジャーニー 3つ…

負は感染する/誉田哲也『感染遊戯』感想

誉田哲也さんの『感染遊戯』を読みました。

本多孝好『dele2』感想

本多孝好さんの『dele2』を読みました。

本多孝好『MISSING』感想

本多孝好さんの『MISSING』を読みました。

「きらきら」を抽出しながら生きていきたいか/『穂村弘の、こんなところで。』感想

穂村弘さんがインタビュアーとして様々なジャンルで活躍する人と対談する対談集『穂村弘の、こんなところで。』を読みました。

人の海/星野源『蘇る変態』感想

星野源さんの『蘇える変態』を読みました。

本多孝好『ストレイヤーズ・クロニクル』感想

本多孝好 さんの『ストレイヤーズ・クロニクル』を読みました。

芸術と人の交差点/原田マハ『モダン』感想

原田マハさんの『モダン』を読みました。

世界とのズレを保存する/穂村弘『野良猫を尊敬した日』感想

穂村弘さんの『野良猫を尊敬した日』を読みました。

他人の洞になること/本多孝好『ALONE TOGETHER』感想

本多孝好さんの『ALONE TOGETHER』を読みました。

東野圭吾「ガリレオの苦悩」感想

東野圭吾さんの「ガリレオの苦悩」を読みました。 学生時代から比較的長く、かつ、少しづつ本を読んできたけれど、実は東野さんの作品を読みとおすことができたのは初めてだった。東野さんの作品は多く映像化されているし今も継続して本を出されていることが…

穂村弘『君がいない夜のごはん』感想

穂村弘さんの食エッセイ『君がいない夜のごはん』を読みました。 個人的な話をすると、これを書いている2017年は私的穂村さんYearである。穂村さんという人の本を知ったのが今年の初め。それから芋づる式に著作を漁る日々。文章が馴染みその人のスタンスもな…