8月2日の書庫

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秋川滝美『いい加減な夜食 1』感想

秋川滝美さんの『いい加減な夜食 1』を読みました。

いい加減な夜食〈1〉 (アルファポリス文庫)

 想像してたのとは違った

パラパラと手にとり読んでいたら、主人公が夜食を作ってたので「あーこれは主人公が持ち前の料理技術を使って、手軽だけど超おいしい夜食が登場して、それが短編になってて、つまりたくさんの夜食を見れるってことね読みます!!!」と理解。読み始めたところで「なんか違う。リゾット以外夜食が出てこない...。」と思っているうちに、読み終わりました。

 

が、いい加減な夜食の物語であった

だけどタイトル「いい加減な夜食」というのは終盤できちんと回収されていて、個人的には良かったなと思います。ちゃんと伏線回収するお話、好き。夜食は全然でなかったけれど。どちらかというとラブコメ。無自覚ハイスペック女子が無自覚に大活躍しつつ、こちらもハイスペックな俺様若社長の恋愛ストーリーでした。

 

ときめきポイントの変化

主人公の佳乃に思いを寄せているのに、とことん避けられている若社長の俊紀の束縛っぷりがすごかった。ひと昔前の私なら、まだ「こんな風に熱心に思いを寄せられてみたい。ひゃーーーーーー」みたいな、ふすまの隙間からちらりと覗き見するような気持ちがあったと思うのですが、この本を読みながら俊紀の振る舞いに嫌悪感を抱いてしまったあたり、私の中でも変化した部分があるのだろうなぁ...。と思いました。

自分のコミュニケーション能力のなさ、不器用っぷり、相手の心中を察することができないのはやっぱり駄目だろと、どの口が言うのよ?ってのはありますが、やっぱり思います。読み始めた時期が、ちょうど社会的にセクハラなどが問題になっていたこともあると思いますが、ダメなんですよ多分。

 

 

ということで、お話自体は面白かったと思いますが、モヤモヤするところもありました。佳乃のいい加減な夜食にフォーカスした短編集が、私は読みたいです。

 

以上、秋川滝美さんの『いい加減な夜食 1』を読み終わりました。