8月2日の書庫

本の感想を書くブログです。

伊坂幸太郎『砂漠』感想

 伊坂幸太郎さんの『砂漠』を読みました。

砂漠 (新潮文庫)

 

 面白かったなぁ…。こんな大学生活送ってみたいや、と思える作品でした。

 伊坂作品には必ずと言っていいほど世の中の常識をぶっ壊す人間が出てくると思っていて、その登場を楽しみにしているけれど、『砂漠』なら西嶋、鳥井あたりでしょうか。彼ら彼女らのぶっ飛んでいる姿を読むたびに、私は勇気づけられ、また「常識」と呼ばれているものを再考し、明日を生きていくわけなのです。

 私が大学生だとして、西嶋に対してどんな印象を受けるかなと考えたとき、変わったやつでなんだかワーワー喚いている、ぐらいの感想しかもたないような気がして、なかなか難しい。この5人が仲を深めていく過程もとても面白いし。気が合うとか合わないとか、そういうものもあるけれど、タイミングとかそういうものなのかもなー人の出会いって、なんてことを考えました。

 人の「砂漠」を潤すにはこんなに大変で、自分たちの周りの「砂漠」になんて気を払う余裕がない。そうだろうとも、と思います。だから西嶋が「今目の前の人を助けるんですよ」と言っているように、自分の周りの「砂漠」にとりあえず水を引くことを考え、それをたくさんの人がやれば、色々な砂漠に水が通り緑豊かな土地になるやもしれませんね。

 

 伊坂幸太郎さんの『砂漠』を読み終えました。