8月2日の書庫

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光浦靖子『お前より私のほうが繊細だぞ!』感想

光浦靖子さんの『お前より私のほうが繊細だぞ!』を読みました。

 

「お前より私のほうが繊細だぞ!」という視点で悩める読者の悩みに返していく、というスタンス。すべての悩みは「こんな繊細な私、ほんとつらい…」という立場から始まってるのではないか、みたいなことが文頭で書かれていた気がする。わかる…めちゃめちゃわかる。自分に心当たりがありすぎる…。要は「自意識過剰」ってやつなのかもしれません。が、過剰すぎる自意識ってのは扱いが本当に難しいものだと思います。鎮め方間違えると怪物に変貌しますし。

光浦さんはテレビでちらっと拝見したことがあるくらい、彼女が出ている番組もあまり見ないからよく知らないけど、ユーモア交えた返答、面白かったと思います。ご本人は真面目に答えてるのかもしれないけど。

自分の悩みもそうなのですが、いざ世の中にはバババーンとオープンすると「小さいことで悩んでるなぁ」と呆れるのですが、お悩み相談って当の本人にとっては切実なのですよね。この「切実さ」が本人と第三者で天と地ほど異なることもあるわけでそれってどうなのだろう、そういうものだけど、なんか、どうすればいいのだろう…と思いました。本人の切実さはそのままとっておきたいですよね、大したことないんだ!と過少化したくない。

ずっと前に私は「自分は性格が良いのか悪いのか」というどうしようもない悩みを抱えていることがあって、結論から言えば性格の良し悪しというのはとても曖昧なものであり人によっても観点号が異なり相対的なもののような気がするので考えるのはやめよう!でも私はどうやら人好きのする人物じゃなさそう…ってところに落ち着きました。同じように「自分は繊細なのか」とか「感受性豊かなのか」ということも同じで、「もうよくわからん!」とちゃぶ台をひっくり返したことがあります。「繊細」「感受性」を印籠のように振りかざしてる時点で私の感性は終わってる、そう思うようになりました。だけど気にする私はやめられないし、願わくば自分の背中にべったりと執着する、もう一人の自分のようなものをべりべり剥がしたいです。それしかこのモヤモヤから解放される術がなさそう。

開き直って鎮まるの待ちたいと思います。もう「繊細」って言葉、知らない自分になりたい。