8月2日の書庫

本の感想を書くブログです。

アガサ・クリスティー

アガサ・クリスティー『三幕の殺人』感想

アガサ・クリスティー『三幕の殺人』を読みました。 犯人については言及しないけれど、動機に関する感想を書くので各自回れ右お願いします。 実際に起こった事件に対するコメントで「誰でもよかったという動機は、ある意味で二重の殺人であると言える。つま…

アガサ・クリスティ―『蒼ざめた馬』感想

アガサ・クリスティ―『蒼ざめた馬』を読みました。 はい、騙されました。クリスティのミステリで犯人を当てられた試しがないのだけれど…それは読者としては優良なのでしょうが、当てたくなくて当てられないわけではないから悔しいです。 人を呪術で殺すこと…

アガサ・クリスティー『死の猟犬』

アガサ・クリスティの『死の猟犬』を読みました。 短編集。率直な感想を書けば「クリスティ、こんな話も書けるのか」と思いました。じわじわと少しずつ圧迫感を強めてくるのは『そして誰もいなくなった』でおなじみ、かの作品が好きな人は好きになれる話も多…

アガサ・クリスティー『象は忘れない』感想

アガサ・クリスティーの『象は忘れない』を読みました。 面白かったんだが!?!? (以降ネタバレあります) 『象は忘れない』が面白いだなんて、結局私はメロドラマが好きなのかしら、と思わなくもないけれど、え~、これはめちゃめちゃ愛の物語じゃーんと…

アガサ・クリスティー『鳩のなかの猫』感想

アガサ・クリスティーの『鳩のなかの猫』を読みました。 ※ネタバレあるかも 英国でも有数のメドウバンク校にも事件の影は忍び寄っていた。新任の体育教師が何者かに射殺されたのだ。犯人は学内に潜んでいるに違いない・・・・・・そう鳩を狙う猫のように! …

アガサ・クリスティー『青列車の秘密』感想

アガサ・クリスティー『青列車の秘密』を読みました。 いや~面白かったです。クリスティー作品は少しずつ読んでいるけれど、その中でもかなり好きな部類に入る作品ではないでしょうか。個人差はありますし、この作品が「THE クリスティー作品」と呼ばれてい…

アガサ・クリスティー『雲をつかむ死』感想

アガサ・クリスティーの『雲をつかむ死』を読みました。 クリスティーは面白くない作品があまり無いなあ、、、と読んでいて本当に思います。 この『雲をつかむ死』も然りで、ミステリーとして先が気になるという面白さもさることながら、人物描写が見事で。…

アガサ・クリスティー『スリーピング・マーダー』感想

アガサ・クリスティーの『スリーピング・マーダー』を読みました。 ※ネタバレありです 最初に言っておきたいのですが、新婚グエンダの旦那さんが犯人じゃなくて良かった!本当に良かった!最悪、それだけ言えればいいです!でも感想を続けます。 やっぱり犯…

アガサ・クリスティー『白昼の悪魔』感想

アガサ・クリスティーの『白昼の悪魔』を読みました。 クリスティーの「やり口」はわかっているんだ。まだまだ読み切れてないがそれでもクリスティー作品を読んできたのだから。でも、犯人がわからない。当たらない。結末に驚く。読者としては「良い」読者か…

アガサ・クリスティー『終りなき世に生れつく』

アガサ・クリスティーの『終りなき世に生れつく』を読みました。 人が死ぬことはわかっている。が、なかなか死なない。その「なかなか死なない(≒ 事件が起きない)」がポイントだったのだなと気が付いたのは読み終わった後。この本を読んだことがない人が、…

アガサ・クリスティー『春にして君を離れ』感想

アガサ・クリスティーの『春にして君を離れ』を読みました。 正確にはアガサ・クリスティーとは別の名義で公開された作品らしいので「アガサ・クリスティーの」と言うのは憚られる気もしますが、とにかく読みました。 この本を読み終わって最初に感じたのは…

アガサ・クリスティー『魔術の殺人』感想

アガサ・クリスティーの『魔術の殺人』を読みました。 今回はミス・マープルの元同窓であるキャリィ・ルイス・セロゴールドに参りました、という作品。なんだろう、彼女の人物描写、どこか既視感…と思ったら、小野不由美「十二国記」シリーズの采王・黄姑で…

アガサ・クリスティー『邪悪の家』感想

アガサ・クリスティーの『邪悪の家』を読みました。 「邪悪な」家ではなく、「邪悪の」家であるところが面白いと思いました。この家に愛着を持つニック、薄気味悪さを感じている使用人。なんでしょう、何かを所有することに執着する人の業、という気もしまし…

アガサ・クリスティー『葬儀を終えて』感想

アガサ・クリスティー『葬儀を終えて』を読みました。 個人的クリスティー作品TOP5に入りそうな作品です。とにかく登場人物が多いのですが、多少わからなくても読み進めることをおすすめします。そのうち嫌でも覚えますから。 甥とか姪とか従姉妹とか、この…

アガサ・クリスティー『死との約束』感想

アガサ・クリスティーの『死との約束』を読みました。 先日、三谷幸喜の脚本でドラマ化された作品。面白かったのでぜひ原作を読みたいと思い手に取りました。 こちらも面白かったですね。クリスティーは人間の集団における感情の機微を描くのが本当にうまい…

アガサ・クリスティー『スタイルズ荘の怪事件』感想

アガサ・クリスティーの『スタイルズ荘の怪事件』を読みました。 ※ちなみに私は田村隆一訳を読んでおります。 ※そしてネタばれを含んでいるのでご注意願います。 読みました。面白かったな。クリスティー、とりあえず10冊以上は読んだのだからいい加減犯人が…

アガサ・クリスティー『五匹の子豚』感想

アガサ・クリスティーの『五匹の子豚』を読みました。 今から16年前の私って、何歳だ? そう考えたとき、この物語のすごさを再認識する。私は16年前の私と出来事を思い出すことができるかしら。 とても面白かったです。傑作だとかそういう話を聞くのもとても…

アガサ・クリスティー『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』感想

アガサ・クリスティーの『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』を読みました。 ああ、文庫本の表紙がいいですね。めちゃめちゃいいです。 ということで読みました。ポアロもミス・マープルも登場しません。退役軍人のボビイとおてんば伯爵令嬢のフランキ…

アガサ・クリスティー『ABC殺人事件』感想

アガサ・クリスティーの『ABC殺人事件』を読みました。 殺人というのはつくづく面倒な行いだと思う。 以前森博嗣のVシリーズの一作を読んでいたとき、面白いと思う台詞があった。 Vシリーズは没落した旧家の令嬢・瀬在丸紅子を主人公とするシリーズで、私は…

アガサ・クリスティー『第三の女』感想

アガサ・クリスティーの『第三の女』を読みました。 表紙が孔雀なのは笑いました(笑うところではないかもしれない)。孔雀。 「第三の女」というタイトルはどういう意味なのだろうと読む前は思っていたのですが、なるほどです。しかし意味深いというか、誰…

アガサ・クリスティー『そして誰もいなくなった』感想

アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』を読みました。 ぐうううううう。夢中で読んでしまいました。今年から始まった(別に意図的に始めたわけではなく、クリスティー面白いじゃんと遅ればせながら気づいた2020でした)クリスティーを読もうチャ…

アガサ・クリスティー『ゼロ時間へ』感想

アガサ・クリスティー『ゼロ時間へ』を読みました。 2020年は江國香織の年であり、アガサ・クリスティーの年でもある。そしてそれは何もなければ2021年へと続いていくだろう、というのは私の読書予定です。またクリスティーの小説を読みました。 以下の内容…

アガサ・クリスティー『オリエント急行の殺人』

アガサ・クリスティーの『オリエント急行の殺人』を読みました。 オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 作者:アガサ クリスティー 発売日: 2003/10/01 メディア: 文庫 これもまた、三谷幸喜のドラマを先に見てしまっているので結末は知って…

アガサ・クリスティー『アクロイド殺し』感想

アガサ・クリスティーの『アクロイド殺し』を読みました。 アクロイド殺し (クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー,羽田 詩津子 発売日: 2012/08/01 メディア: Kindle版 2020年下半期はクリスティーを読んでいくことになりそうです。だって面白いんで…

人の本性/アガサ・クリスティー『死が最後にやってくる』

アガサ・クリスティー『死が最後にやってくる』を読みました。 死が最後にやってくる (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー 発売日: 2004/04/16 メディア: 文庫 思えばクリスティーの小説をきちんと読んだのはこれが初めてかもしれな…