8月2日の書庫

本の感想を書くブログです。

生活を感じた物語/米澤穂信『王とサーカス』感想

米澤穂信さんの『王とサーカス』を読みました。

王とサーカス (創元推理文庫)

覚悟の物語

これは大刀洗万智の記者としての覚悟の物語である。

としか言えることない。

と思うくらいそういう話です。ミステリー、謎解きとしてももちろん面白いし裏切らないと思うのだけれど、私がこの本で好きなところはそこじゃない。

 

生活を感じる物語

一言で言えば「レポ」感が好きなのです。

何を食べた。何が香った。何を着た。何が困った。心配だった。食習慣が違う。インターネットだってお店に出向いて使う。雨が降りそう。乾いている。子どもがたくさんいる。ゴミが多い。

舞台となるネパールの首都・カトマンズに降り立ち、大刀洗万智は実際に何を感じたのか、何を見たのか。そういうことが事細かに書かれていることで、生活感が立ち現れてくる。それが好き。私が常にそういうものにアンテナ張って驚きながら生きていきたいなと思っているから気になるのでしょうか。

 

圧倒的過ぎてあまり感想が書けません。良い本です。また読むと思います。

 

米澤穂信さんの『王とサーカス』を読み終わりました。