恩田陸『祝祭と予感』感想(再読)
恩田陸さんの『祝祭と予感』を再読しました。
やっぱり装丁が好きだ。今作は『蜜蜂と遠雷』のスピンオフ的な作品で『蜜蜂と遠雷』の前と後を描いている作品。2段構成でたっぷりと書かれた前作とはうってかわり分量が少なく余白を味わう作品かなぁと思いました。ちょっとしたことで、結構じーんとくるんですよね。特に好きなのは、亜夜の友人でありお姉さんのような奏が自分のヴィオラと出会うまでの話。楽器と対面したときのことが、喜びと同時に絶望を交えて描かれているのが印象的。そこから広大で道が無く人も皆無の荒野が広がるような、そういう寂しさを感じました。奏ちゃんがどんなヴィオラ奏者になるのか気になります。それに納得のいくキムチチゲを見つけるために凝っている奏ちゃんがすごく奏ちゃんなのだろうなぁ…前作ではあまり奏ちゃんのパーソナルなところは描かれていなかったからこの発見もまた興味深かったです。私はどうでも良くて美味しいキムチチゲを作ろうと試行錯誤をすることはないと思うので。
感想書いていたのを忘れていた。また何度読んでもそのたびに感想は書きたいからいいけど。