こうあってほしい、といういわば押しつけのような、祈りなのか願いなのかが他人に届くことは無いのだということを、私は小説を読んでまず知った。
もっとちゃんとしてほしい
自分を大切にしてほしい
こんなことをするなんて不道徳
あなたの考えていることはよくわからない
思ったところで、彼ら彼女らは自分の生をひた走り、私はそれが正しいことなのだといつからか思うようになった。他人の人生の主導権は、その人自身にあるべきだ。
朝子よ、何故なの。あなたは何故そうなの?
そんな思いをぐっと押し殺して一旦は読む。とにかく読む。
読みながら「あ、この瞬間すごく好きだな」と思うところがでてくる。カメラで写真を撮る朝子さん、なんかいいなと思って、私も写真を撮りたくなって、コンデジ買っちゃったよ、どうしてくれるんだ。ありがとう。
朝子さんの中で何か一区切りついたのであれば良かったと思う。瞬間を直感に従って進む朝子さんの姿、何故?どうしてそっちに行くの?と思いながらも、爽快だった。面白かった。