8月2日の書庫

本の感想を書くブログです。

イーユン・リー『千年の祈り』感想

 イーユン・リーさんの『千年の祈り』を読みました。

 

千年の祈り (新潮クレスト・ブックス)

千年の祈り (新潮クレスト・ブックス)

 

 

 いや…難しかった。最近ちゃんと感想を書くようにしているけれど、書こうとすればするほど自分の無学というか無知というか「なんもかんがえらんねえ」という状態になり悲しくなります。でもそれが事実だしそこから始めなければならないのだから、格好つけず率直にこれからも感想を綴っていけたらいいな。 

dorian91.hateblo.jp

  に次いでリーさんの本は二冊目。この本に収められている短編で様々な賞をとられたということで、濃厚濃密な短編集だったと思います。お気に入りは特に『黄昏』『息子』『縁組』あたり。

 どうしたらこのような話が書けるのだろう?と思います。これはリーさんが特別ってわけでもないですが、言葉で説明しきらない、むしろ話したことや起こったことの積み重ねで語られないことを描こうとする、ってのがすごいです。じゃあ結局どうだったの?と聞かれ、「○○でした」と説明するのは文中の言葉からではなく読み手の脳内で絞り出した何かでしか語れない、そういう小説です。

 中国で生きるということ、生きたということがひしひしと考えられます。中国共産党の存在感。抑圧というのも読みながら感じました。いやー難しかった。十年後、リベンジしたい。