8月2日の書庫

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コーリー・スタンパー『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』感想

 コーリー・スタンパーの『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』を読みました。

ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険

 

 ただただノリで叫ぶなら「最高にエキサイティングした本!」でした。めっちゃ刺激的で面白い本です。この本、歩く人におすすめしたい。いいから読め。

 

 私はどこか勘違いしていたなと思います。私は辞書に書かれている意味がその時代の「ほんとう」だと思っていたのですが、そうではないんです。スタンパーさんが作中で言っていたのが、辞書は言葉が使われているその意味を収録するものであり、辞書が言葉の意味を規定するものではない、ということ。イメージとしては、辞書と社会の間で言葉がぐるぐるとループしているような感じ(あ、これは私の勝手なイメージです)。だから、辞書の意味を絶対的なものとして捉えては駄目だということです。辞書に載っているから正しい、じゃないんです。

 正しい言葉なんて、ない。言葉は言葉。勝手で自由気ままだけど妙に規則正しい、シンプルとは程遠いものなんですね…。「美しい言葉」とかそういう言葉が陳腐に聞こえてしまいます。

 プロフェッショナルには頭が下がる思いです。辞書作りにせよなんにせよ、何かを極めた人の知識は尊いものだなぁと思います。まだまだ自分の知らない世界がある。言葉と格闘する人たちの姿勢を通して、背中がシャキッとさせられました。定期的に読み直さねばなりません。