アガサ・クリスティー『魔術の殺人』感想
アガサ・クリスティーの『魔術の殺人』を読みました。
今回はミス・マープルの元同窓であるキャリィ・ルイス・セロゴールドに参りました、という作品。なんだろう、彼女の人物描写、どこか既視感…と思ったら、小野不由美「十二国記」シリーズの采王・黄姑でした。直感的に何が正しいのか、あるべき姿なのかをわかっている人、でもそのあるべき姿に対する論拠を示せないから、ひたすらふわふわした言動になってしまう人。
ミス・マープルの話はまだそこまで読んでいるわけではないけれど、彼女が住むセント・メアリ・ミード村で生きる人たちがちょくちょく登場する思考法は面白いなあと感じました。ミス・マープルの類まれなる観察眼と洞察力、これは彼女の技能ですが、同時に経験に裏打ちされているというのも興味深いです。つまり、ミス・マープルが若かりし頃、ミス・マープル足りえたかということ。
地道に読んでいます。クリスティ作品、まだまだ続きます。