8月2日の書庫

本の感想を書くブログです。

『暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて: ル=グウィンのエッセイ』感想

 『暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて: ル=グウィンのエッセイ』を読みました。

暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて: ル=グウィンのエッセイ

 

 ああ、なるほど。この手があったか。私にもできるかしら? 試しにやってみようか?(p.14)

 書店で見かけて気になっていた本でした。まずタイトルが素晴らしいなと。うーむ、自分もこうありたいという憧れのような気持ちが湧いてきます。

 グウィンの本はほとんど読んだことがなく(唯一『影との戦い』は読んだけれど、全然わからなかった)折を見て挑戦したいと思う作家だと思っています。

 ブログの記事からいくつか引っ張って作られたエッセイ本のようですが、特に最初の「高齢」の話は印象的でした。老いるということについて私はまだ真剣に考えていないし、そもそも「老い」に関する人々の語りがちぐはぐというかなんというか。「老い」というのは若くして亡くなる人でなければ多くの人が直面する問題であるにも関わらず、きちんと語られていないような気がするのでした。若い人から見た「老い」と当事者の「老い」にはギャップがあるはずで、そこが埋まっていないのですよね。

 他にも愛猫やフェニミズム、文学の話など様々なテーマでまとめられていて読みやすいと思います。科学と信仰の話も面白かったな…。