8月2日の書庫

本の感想を書くブログです。

浅野いにお『漫画家入門』感想

 浅野いにお『漫画家入門』を読みました。

漫画家入門 (単行本)

 

 面白かった。浅野さんの作品は『ソラニン』そしてデデデ(『デットデットデーモンズデデデデストラクション』)の途中まで読むという中途半端さであるが、NHKの「漫勉」で浅野いにお回を観てえらく印象に残っている。漫画家としては「漫画を読めや」という話だろうけれど、作品はどうも合わない、けれどエッセイなんかは好き、というのはよくある。悲しいけれど、よくあることなのだ。

 そもそもこの本は、行きつけの本屋(青山ブックセンター)で1年くらい前から存在は認識していて、ずっと読もうか読むまいか考えていて、色々あって買ってみた。

 面白かった(二回目)。なんだろう、ものの考え方が違うのだなということを思い知らされた。うまく言葉にできないけれど、物事の捉え方とかそういうの。

 でも、よくよく考えてみれば、人間というのは人それぞれ考え方が異なるのは当たり前で、何を大切にするかもそれぞれで、それでいい。嘆くことでもない(嘆いていない)。ただ私は「どうして私はそれを持たないのだろう」と考えてしまうのだ。私以外の人間の持ち物が欲しいのである。

 

 「自分のことを漫画家だと思っていない」というくだりが印象的だった。あとは結婚観も。

 

 自分の考えを突き詰めていこう。それは可変的で絶対的ではないという前提のもとで。その先で結実したものを見てみたい。