8月2日の書庫

本の感想を書くブログです。

想田和弘『なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか』

 想田和弘さんの『なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか』を読みました。

 

 

 これは学生時代に読んだと記憶しているのだけど、改めて読み直したくなったので読みました。多分映画『精神』を見たからの流れだと思うのだけど、『精神』やこの本の中でもメインに触れられている『Peace』を見る機会はあるのだろうか。あったらぜひ見てみたいなと思います。

 面白いです。なんというか、この本で語られている想田監督のドキュメンタリー観は「ああ、わかります」という感じ。テーマ主義、台本主義、わかりやすさ主義への反発。1つのアプローチとして尊重されるべきだなと。腑に落ちる感じ。

 観察は、他者に関心を持ち、その世界をよく観て、よく耳を傾けることである。

 (想田和弘『なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか』 講談社 p.126)

  方法ってのは色々あってそれぞれに強み弱みがある。個人が考えて考えた結果「そうせざるを得ない」と至った結論に私は敬意を表してしまう。それが例え私のやり方とは異なるものでも。テーマ主義、台本主義、わかりやすさ主義の中にも、そのようなプロセスはあるのかなぁ…とふと考えてしまいました。要は作り手は自分のスタイルにプライドを持っているのかってことかな。