8月2日の書庫

本の感想を書くブログです。

武田砂鉄『マチズモを削り取れ』感想

 武田砂鉄『マチズモを削り取れ』を読みました。

マチズモを削り取れ

 まずタイトルがいいよね。「削り取れ」という言葉には、「こびりついている」というニュアンスが含まれる。それを削り取らないといけない、と主張する本だ。

 私にはこういうことについて話し合うことのできる人がほぼ皆無なので、他の人がどういうことを考えているのか知りたい。私は性自認が女性であるが、男性はどう思うのだろうか。わからない。

 これは私の考えなのだけど、感情と事実を分けて考えないと進まないだろうと思う。もちろん感情はとても大切で、作中の編集者の檄は尤も、そういう憤りが社会を変えていくと思うのだけども、一方で「戦略」も必要ではないか。私はあんまりそういう怒りを感じない、感じないでやってこれた、と思うので負い目がある。そもそも世界に期待をしていない、というのもある。

 そして、突きつけられた(と思っている)側も、感情と事実を分けて考えてほしい。そして大事なことなのだけど、別に「あなた」を非難しているわけではない、ということ(ただし「あなた」にも関係があることだ)。自分が攻撃された、蔑まれたと思って、拗れるのはお門違いだと思う。そう思うのも宜なるかなと思うけど。建設的に考えていきましょう、という話になる。学んでいきたいし、私も削る為の実践を考えていきたい。