8月2日の書庫

本の感想を書くブログです。

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

宮部みゆき『とり残されて』感想

宮部みゆきさんの『とり残されて』を読みました。 いいですね、宮部さんの話は。どれも良質な作品でした。 宮部作品の主人公は、芯が強い。別で言い換えると、「頑固」と表現することもできて、そこに「妄執」みたいなものがプラスされると後は破滅への道を…

堀江敏幸編『記憶に残っていること』感想

『記憶に残っていること』を読みました。 新潮クレスト・ブックスから堀江敏幸さんが選りすぐった短編が収められています。どれも素晴らしい短編です。私はこの中に収められているラヒリの短編の雰囲気が好きで手に取りました。なんでしょう「この空気感が好…

江國香織『なつのひかり』感想

江國香織さんの『なつのひかり』を読みました。 小説を読むのは、何か目的があるわけではない(この場合の「目的」とは何が当たるだろう、語彙力強化とか、知識収集とか、そういうの?)。楽しいからでもない。私にとってはただ習慣なだけであり、プラスして…

アガサ・クリスティー『死との約束』感想

アガサ・クリスティーの『死との約束』を読みました。 先日、三谷幸喜の脚本でドラマ化された作品。面白かったのでぜひ原作を読みたいと思い手に取りました。 こちらも面白かったですね。クリスティーは人間の集団における感情の機微を描くのが本当にうまい…

島本理生『匿名者のためのスピカ』感想

島本理生さんの『匿名者のためのスピカ』を読みました。 私はこの本を読んで「七澤君!!!」となりました。案の定女性読者に人気の登場人物らしい。主人公の笠井君よりよほど「七澤君」だろう。でも七澤君は主人公ではありえない。直感的に、それは間違いが…