8月2日の書庫

本の感想を書くブログです。

2020-01-01から1年間の記事一覧

コーリー・スタンパー『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』感想

コーリー・スタンパーの『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』を読みました。 ただただノリで叫ぶなら「最高にエキサイティングした本!」でした。めっちゃ刺激的で面白い本です。この本、歩く人におすすめしたい。いいから読め。 私はどこか勘違い…

ガブリエル・ガルシア=マルケス『ガルシア=マルケス「東欧」を行く』

ガブリエル・ガルシア=マルケスの『ガルシア=マルケス「東欧」を行く』を読みました。 『百年の孤独』という本が、家の近くの本屋にいつも一冊置いてあるのだが(今日訪れたら無くなっていたので、誰かに買われたのか戻されてしまったのか)今年読んだ多和田…

アガサ・クリスティー『そして誰もいなくなった』感想

アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』を読みました。 ぐうううううう。夢中で読んでしまいました。今年から始まった(別に意図的に始めたわけではなく、クリスティー面白いじゃんと遅ればせながら気づいた2020でした)クリスティーを読もうチャ…

吉田篤弘『月とコーヒー』感想

吉田篤弘さんの『月とコーヒー』を読みました。 めっちゃ面白かったです。 この「面白かったです」ってすごく難しい言葉で、他の人が使っている「めっちゃ面白い」と温度が違うかもしれないです…。吉田さんのお話はすごく優しい話が多いと思います。展開的に…

恩田陸『隅の風景』感想

恩田陸さんの『隅の風景』を読みました。 「まだ読んだことない恩田作品あるってよ」ということで、恩田さんの紀行エッセイを読みました。 こうして読んでいると、恩田さんというのはインプットの量がすさまじい人なんだなぁ…と驚くばかりです。また何度も言…

ベルンハルト・シュリンク『週末』感想

ベルンハルト・シュリンクの『週末』を読みました。 新潮クレスト・ブックスを片っ端から読む、みたいなチャレンジをしているわけではないですが、図書館の開架をめぐる中で一つの判断基準にはなる。今回も新潮クレスト・ブックスから。 まず表紙がいい。た…

金原ひとみ『パリの砂漠、東京の蜃気楼』感想

金原ひとみさんの『パリの砂漠、東京の蜃気楼』を読みました。 「めちゃめちゃ良い」という言葉を使うことが躊躇われる。でも、めちゃめちゃ良かったのだ。何が良かったか?そんなの知らない。 夢中で読んだ。著者の様々な感情が文章からひしひしと伝わって…

津村記久子『浮遊霊ブラジル』感想

津村記久子さんの『浮遊霊ブラジル』を読みました。 津村さんの話が好きだ、と感じる。そんな短編集だった。 津村さんの話、そこまで読んでいない。片手で数えられるほどか。でもこれからはもっと読んでみよう。多分学生の頃では感じえなかった世界があるか…

ミランダ・ジュライ『あなたの選んでくれるもの』感想

ミランダ・ジュライさんの『あなたの選んでくれるもの』を読みました。 映画の脚本の執筆に行き詰った著者が、フリーペーパーに売買広告出す人々を訪ね、話を聞き始め、その内容をまとめたフォト・インタビュー集。 プロの写真家の方なのだろうけれど、差し…

千早茜『男ともだち』感想

千早茜さんの『男ともだち』を読みました。 男ともだち (文春文庫) 作者:茜, 千早 発売日: 2017/03/10 メディア: 文庫 「無い」ということを証明するのって難しいと思うのです。 だから私は、「男女間の友情は絶対成立しない」とは思えない。それを証明する…

ジュンパ・ラヒリ『見知らぬ場所』感想

ジュンパ・ラヒリさんの『見知らぬ場所』を読みました。 見知らぬ場所 (新潮クレスト・ブックス) 作者:ジュンパ ラヒリ 発売日: 2008/08/01 メディア: 単行本 もう2020年はジュンパ・ラヒリの年。ということで立て続けにその作品を読んでおります。 8編の短…

森博嗣『小説家という職業』感想

森博嗣さんの『小説家という職業』を読みました。 小説家という職業 (集英社新書) 作者:森博嗣 発売日: 2014/03/28 メディア: Kindle版 ううう面白かった…。書かれていること、わかる。わかる、けど。 ぱらぱらと流れるように読んでしまったので(それが私に…

千葉雅也『メイキング・オブ・勉強の哲学』感想

千葉雅也さんの『メイキング・オブ・勉強の哲学』を読みました。 メイキング・オブ・勉強の哲学 作者:雅也, 千葉 発売日: 2018/01/26 メディア: 単行本 『勉強の哲学』がどのように作られたのか、語る本書、『勉強の哲学』の実践例と言うこともできそうです…

イーユン・リー『千年の祈り』感想

イーユン・リーさんの『千年の祈り』を読みました。 千年の祈り (新潮クレスト・ブックス) 作者:イーユン リー 発売日: 2007/07/31 メディア: 単行本 いや…難しかった。最近ちゃんと感想を書くようにしているけれど、書こうとすればするほど自分の無学という…

大前粟生『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』感想

大前粟生さんの『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』を読みました。 ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい 作者:大前粟生 発売日: 2020/05/01 メディア: Kindle版 「ぬいぐるみとしゃべる人」は「 」。 「 」に入る言葉は、「繊細」でもなければ「傷つきやすい…

多和田葉子『地球にちりばめられて』感想

多和田葉子さんの『地球にちりばめられて』を読みました。 実は先に、続刊『星に仄めかされて』を読んでしまいました。といっても登場人物たちは前作から通じて登場しているものの読みながらなんとなく事情はわかるし、『地球にちりばめられて』を読んでいな…

スズキナオ『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』感想

スズキナオさんの『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』を読みました。 定期的に書店通いをしていると、気になるものの買っていない本は嫌でも目に入ってきます。この本も私にとってはそういう本でした。たまたま図書館で借りることができたので…

江國香織『つめたいよるに』感想

江國香織さんの『つめたいよるに』を読みました。 どの話も短く不思議な読後感で面白かった。目次をノートに写して(読書ノートをつけたりつけなかったりしている)書いた目次のところに特に好きな短編ならマルをつけていく。『デューク』『ラプンチェルたち…

イーユン・リー『理由のない場所』感想

イーユン・リーの『理由のない場所』を読みました。 私が定期的に行く書店にずっと数か月は平積みになっていて(それは売れ残りというよりは、その本のセレクトだということを意味している)気になっていた本を図書館で見かけました。嬉しい。いや、買っても…

千早茜『ガーデン』感想

千早茜さんの『ガーデン』を読みました。 面白かった。単行本で読んだのだけれど、文庫本の表紙も素敵。単行本も素敵。私はこの本を始めて訪れる洋食屋の窓際の席で読んだことをおぼえている。水が入ったコップの水滴とか、メニュー表がない店内とか、吊るさ…

ジュンパ・ラヒリ『べつの言葉で』感想

ジュンパ・ラヒリの『べつの言葉で』を読みました。 私の中でいくつかのルールがあって(本を読むこととは関係ないことでもたくさん)その中に、毎月1冊から数冊、本を買う、というのがある。普段は図書館本を読むことの多い私が、新しく出版された最近の本…

アガサ・クリスティー『ゼロ時間へ』感想

アガサ・クリスティー『ゼロ時間へ』を読みました。 2020年は江國香織の年であり、アガサ・クリスティーの年でもある。そしてそれは何もなければ2021年へと続いていくだろう、というのは私の読書予定です。またクリスティーの小説を読みました。 以下の内容…

江國香織『とるにたらないものもの』感想

江國香織さんの『とるにたらないものもの』を読みました。 んんん~~好き。江國作品を読む2020であるけれど、この本は漏れていてたまたまSNSでその存在を知った。知ってまもなく、とある街を訪ねることがあって、そこのBOOKOFFで110円で売られていて「嘘だ…

ジュンパ・ラヒリ『わたしのいるところ』感想

ジュンパ・ラヒリさんの『わたしのいるところ』を読みました。 良かった…。多和田葉子『百年の散歩』からこちらへ(この本を読んだ人の感想から飛んできました)。46編の短編で構成されている小説です。 この本を読むとぐっと自然な私のリズムに戻る。それが…

佐久間裕美子『真面目にマリファナの話をしよう』感想

佐久間裕美子さんの『真面目にマリファナの話をしよう』を読みました。 うわああああああい。面白かったです。固定概念がまた一つ崩されたというか、新しい世界が見えてきたというか、いや、疑うことなく考えることなく受け入れることってめちゃめちゃ怖いな…

恩田陸『きのうの世界』感想

恩田陸さんの『きのうの世界』を読みました。 こちら再読で、てっきりこちらで感想書いていると思っていたら、2017年の読了。このブログを始める前に読んでいたので感想は書かれていなかったですね。最近、自分が読んだ本を記録が残っている限り全部Excelに…

葦原大介『ワールドトリガー 1』感想

葦原大介さんの『ワールドトリガー 1』を読みました。 私、ワートリの民になります! ということで、ワールドトリガーをちまちま読み進めようと思っています(飽きるまで)(早々に飽きるかもしれない)。あとから色々なことを知った私がぐふぐふ笑えるよう…

多和田葉子『百年の散歩』感想

多和田葉子さんの『百年の散歩』を読みました。 百年の散歩 (新潮文庫) 作者:葉子, 多和田 発売日: 2019/12/25 メディア: 文庫 面白かったけれど読み通すのに難儀した…しかしこれは読まねばなるまい!と思わせる質量がある、気がする。ベルリンを散歩する私…

灰とワインレッド/エレン・フライス『エレンの日記』

エレン・フライス『エレンの日記』を読みました。 エレンの日記 作者:エレン フライス 発売日: 2020/03/03 メディア: ハードカバー 関係が無いのだけれど「エレンの日記」で調べると、ホラーゲーム『魔女の家』関連の本がヒットするのが面白い(私はまだ遊ん…

ミッチ・アルボム『モリー先生との火曜日』感想

ミッチ・アルボム『モリー先生との火曜日』を読みました。 普及版 モリー先生との火曜日 作者:ミッチ・アルボム 発売日: 2004/11/21 メディア: 単行本(ソフトカバー) 小説を電子書籍で読むことは無いのですが、漫画は読みます。Kindleのおすすめで何故か表…