8月2日の書庫

本の感想を書くブログです。

佐久間裕美子『真面目にマリファナの話をしよう』感想

 佐久間裕美子さんの『真面目にマリファナの話をしよう』を読みました。

真面目にマリファナの話をしよう (文春e-book)

 うわああああああい。面白かったです。固定概念がまた一つ崩されたというか、新しい世界が見えてきたというか、いや、疑うことなく考えることなく受け入れることってめちゃめちゃ怖いなと思ったりとか、本当に面白かったです。

 

 この本を手に取ったのは「大麻ってなんなの」とふと思ったからです。

 2020年9月、とある有名な俳優さんが大麻取締法違反で逮捕されるニュースがありました。それ以前からアルコール依存、薬物依存、自殺、有名人の不倫などに対するマスコミの報道や世論の反応に対して疑問を抱いてはいて、新聞の記事を切り取りながら(時々新聞スクラップをする)「大麻取締法ね…」と思って軽く調べて見たら面白かった。

 大麻取締法では所持や譲渡譲受、栽培、輸出入が禁止されていますが使用が禁止されていないとは一概には言えない。スパッと「禁止です」とは明記されてない。だから確かに有名俳優さんは使用ではなく「所持」で逮捕されたんですね…。

 このように、わかっているようでわかってないもんだな大麻のこと、と思いまして、本を読んでみようと『真面目にマリファナの話をしよう』を手に取りました。

 

 私はなにもマリファナ大麻)を非罰化すべき!だとは思ってなくて、いずれそうなるにしても段階的にクリアしていくべきだし、杓子定規的に「ダメ、ぜったい」のスタンスをとっているのは見直した方が良くない?と思いました。マリファナ大麻)を適切に扱う為にも研究が進められるべきだし、医療の観点から有用性が認められるのであれば患者の選択肢の一つになればいい。

 

 アメリカは医療用・嗜好用共に州ごとの法改正が進んでいるようで、その経緯には様々な歴史と人類の課題があることがわかりました。リーマンショック以後の金融危機による公の財政難がひとつの後押しになっていたというのは面白かったです。でもそれ以外にも医療費が高くて国民全体の予防意識が高いこと、病にならないよう努力をしたり病による苦しみを緩和させること、への関心が高いというのは、日本とは異なる点だと思います。

 

 私の知人に「麻子」という人がいるのですが(珍しい名前ではないので読んでいる方にもいらっしゃるかもしれませんね)私はこの名前、いつも素敵だな~~~興味深いなぁ~~~と思っています。「麻」という字は「大麻」を意味するものではない。でも気になるから一回調べてみたことがあって。麻というのは昔の人々にとっては利用価値が高い、色々なことに使える親しみある植物で、そういうところが名前にも表れるのかなぁ、違うのかぁ。

 で、本の中でもありますが、アメリカと日本における大麻に対するイメージのズレがあって。広がり方もアクセスする層も違うわけです。日本にだって麻はあったのにそれを吸引してハイになる文化がない。確かに…そうかも…あんまり聞いたことがない。そうなるとそもそもの大麻取締法の制定が無理があったのではないか考えてしまいます。

 

 この本をきっかけにもう少し大麻に関することを知りたいし(麻の文化とか)日本でも今後大麻に関する世論が変わっていくのか、注視していきたいと思います。でもほんと、嗜好目的はともかく医療目的の利用についてはもう少し議論が進んでほしいな…ガンや緑内障は他人事ではない話題です。