8月2日の書庫

本の感想を書くブログです。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

小川糸『卵を買いに』

小川糸『卵を買いに』を読みました。 エッセイを読むとき、私は他人の考えを借りる気持ちで読む。知らない場所、知らない食べ物、知らない景色、考えても見なかったこと、他人の考え。エッセイを読むことで多少なりともインプットできたと思う。 他の人の考…

アガサ・クリスティー『邪悪の家』感想

アガサ・クリスティーの『邪悪の家』を読みました。 「邪悪な」家ではなく、「邪悪の」家であるところが面白いと思いました。この家に愛着を持つニック、薄気味悪さを感じている使用人。なんでしょう、何かを所有することに執着する人の業、という気もしまし…

太宰治『斜陽』感想

太宰治の『斜陽』を読みました。 太宰治は『人間失格』に次いで二冊目。いつも芥川龍之介と混同している。でも芥川と太宰って作風もテーマも違うのねと段々気づき始めている。 この小説で「斜陽族」という言葉が生まれたほど。意味としては「急激な社会変動…

エーリッヒ・フロム『生きるということ 新装版』感想

エーリッヒ・フロム『生きるということ 新装版』を読みました。 『愛するということ』とセットで本屋に平積みになっていた気がします。。そして『愛するということ』の方が平積みの山は低め(つまり捌けている?)印象。あくまで私の印象です。いずれは『愛…

恩田陸『エンド・ゲーム』感想

恩田陸『エンド・ゲーム』を読みました。 恩田陸作品の中でも「常野シリーズ」と呼ばれている作品群の1つです。読んだことはあるけれど、再読はあまりしてないシリーズ。特に深く考えてはこなかったけれど、どうしてなのだろう。嫌いなわけでも苦手なわけで…

アガサ・クリスティー『葬儀を終えて』感想

アガサ・クリスティー『葬儀を終えて』を読みました。 個人的クリスティー作品TOP5に入りそうな作品です。とにかく登場人物が多いのですが、多少わからなくても読み進めることをおすすめします。そのうち嫌でも覚えますから。 甥とか姪とか従姉妹とか、この…

江國香織『犬とハモニカ』感想

江國香織『犬とハモニカ』を読みました。 いいですね、という感じ。昨年から随分と江國香織作品を読んできたなあと感慨深い気持ちになります。収録されている『アレンテージョ』は別のアンソロジーで読んだことがあって懐かしくなりました。車を運転している…

土井善晴『一汁一菜でよいという提案』感想

土井善晴『一汁一菜でよいという提案』を読みました。 積読していたのですが読み終えることができました(積読期間1年強)。 なんというか、これは私の人生観になるのかもしれないですが、人という生き物は一生を通して自身の哲学を構築していく、という考え…