土井善晴『一汁一菜でよいという提案』を読みました。
積読していたのですが読み終えることができました(積読期間1年強)。
なんというか、これは私の人生観になるのかもしれないですが、人という生き物は一生を通して自身の哲学を構築していく、という考えが自分の中にあります。本を読むということは他者の「哲学」の一端に触れることであり、土井さんのこの本を読みながらひしひしと感じました。つまりこの本は土井さんの料理に対する眼差しや考え方が色濃く表れているような気がしたのです。
一汁一菜というのは、ご飯とお味噌汁(とオプションでお漬物もあり?)を基本とした食のスタイルです。この提案の背景にはそれこそ日本の従来の食文化などがあるわけですが、今の時代、料理を難しく考えすぎるあまり敬遠してしまう人が多いように見受けられるという危機感があるようです。なんとなくわかります。
読み終えて実践したくなる本でした。実際に自分の生活に取り入れられるか?と聞かれたら今は無理ですけれど、一つの提案として、アイデアとして「一汁一菜」というのはずっと頭のメモに残しておきたいなと思います。料理にメリハリをつける(ハレの日とケの日など)というのは、料理以外にも応用できる考え方です。