8月2日の書庫

本の感想を書くブログです。

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

アガサ・クリスティー『象は忘れない』感想

アガサ・クリスティーの『象は忘れない』を読みました。 面白かったんだが!?!? (以降ネタバレあります) 『象は忘れない』が面白いだなんて、結局私はメロドラマが好きなのかしら、と思わなくもないけれど、え~、これはめちゃめちゃ愛の物語じゃーんと…

千葉雅也『オーバーヒート』感想

千葉雅也『オーバーヒート』を読みました。 面白かったです。何が面白かったのか言語化できない面白さに駆られてページをめくっていました。 物語の中で芯として通っているのが「言葉」というもの。主人公はどうも言葉が堰き止められているような感覚を抱い…

江國香織『すいかの匂い』感想

江國香織『すいかの匂い』を読みました。 自分にはそういうものがあると認めたくないけれど、実際はあるでしょ? ということを突き付けられているような小説。江國香織作品の中ではつめたく、ちょっと不気味な感じがした。読んでいる最中、ずっとドキドキし…

恩田陸『黒と茶の幻想』感想

恩田陸『黒と茶の幻想』を読みました。 記録に残す限り4回ほど読んでいました(今回で5回目)、好きとか嫌いとかではなく、ただただ定期的に読む本『黒と茶の幻想』です。 繰り返し何度も読む本の醍醐味として、書かれている本の内容は変わらないのに読み手…

江國香織『落下する夕方』感想

江國香織『落下する夕方』を読みました。 梨果と八年一緒だった健吾が家を出た。それと入れかわるように押しかけてきた健吾の新しい恋人・華子と暮らすはめになった梨果は、彼女の不思議な魅力に取りつかれていく。逃げることも、攻めることもできない寄妙な…

恩田陸『灰の劇場』感想(二回目)

恩田陸『灰の劇場』を再読しました。 読むのは2回目か3回目かぐらい。 大学の同級生の二人の女性は一緒に住み、そして、一緒に飛び降りた――。いま、「三面記事」から「物語」がはじまる。きっかけは「私」が小説家としてデビューした頃に遡る。それは、ご…