8月2日の書庫

本の感想を書くブログです。

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

千早茜『森の家』感想

千早茜さんの『森の家』を読みました。 小説に登場する人物たちを嫌いになることはあるか。 そう訊かれたら、私は「限りなくゼロに近いNo」と答えると思う。つまり、よほどのことが無い限り、嫌いになることは無い。 ただ、強いネガティブな感情を抱くことは…

恩田陸『灰の劇場』感想

恩田陸さんの『灰の劇場』を読みました。 感想にするのが難しいと感じます。うまく言語化できていないです。二回読んだ今もそれは変わらない。もしかしたら「感想としてまとめない」というのが感想になるのかもしれない。恩田作品だと『中庭の出来事』に近い…

アリ・スミス『ホテルワールド』感想

アリ・スミスの『ホテルワールド』を読みました。 難しかったし、読むのに苦労した、というのが最初の感想。でもそれが悪くない感じ。むしろこの難解さ、複雑さがこの本の魅力だと言ってしまってもいいのではないか。5人の登場人物たちの混沌とした思考。連…

江國香織『号泣する準備はできていた』感想

江國香織さんの『号泣する準備はできていた』を読みました。 1年ぐらい前に実は読んでいたのだけれど、読んだことを忘れたまま読み始め「ああ、なんかこの話知っているぞ」とじわじわと思い出しながら最後まで読み切りました。いいですね。この短編集はあと…

アガサ・クリスティー『スタイルズ荘の怪事件』感想

アガサ・クリスティーの『スタイルズ荘の怪事件』を読みました。 ※ちなみに私は田村隆一訳を読んでおります。 ※そしてネタばれを含んでいるのでご注意願います。 読みました。面白かったな。クリスティー、とりあえず10冊以上は読んだのだからいい加減犯人が…

アガサ・クリスティー『五匹の子豚』感想

アガサ・クリスティーの『五匹の子豚』を読みました。 今から16年前の私って、何歳だ? そう考えたとき、この物語のすごさを再認識する。私は16年前の私と出来事を思い出すことができるかしら。 とても面白かったです。傑作だとかそういう話を聞くのもとても…

角田光代『彼女のこんだて帖』感想

角田光代さんの『彼女のこんだて帖』を読みました。 いいですね。食べることがある。ただそれだけ。上手とか下手とかそんなこと、どうだっていい。人が食べることにハッとしたきらめき抱いた瞬間を捉えた作品だと思います。毎日作る必要なんてない。でも、ず…

江國香織『真昼なのに昏い部屋』感想

江國香織さんの『真昼なのに昏い部屋』を読みました。 再読なので過去の私はなんて言っていたのかしら?と思って過去記事を見てみたのですが、どうやら感想は書いていなかったよう。残念。読みました。 面白いですねえ。短い話でもあるのであっという間に読…

町屋良平『愛が嫌い』感想

町屋良平さんの『愛が嫌い』を読みました。 『しずけさ』『愛が嫌い』『生きるからだ』の三篇からなる作品です。 町屋さんの文体に慣れてきた感覚があります。町屋さんの作品はとても静かで混沌としているような印象です。静かで混沌って矛盾しているようで…