8月2日の書庫

本の感想を書くブログです。

アリ・スミス『ホテルワールド』感想

 アリ・スミスの『ホテルワールド』を読みました。

ホテルワールド

 

 難しかったし、読むのに苦労した、というのが最初の感想。でもそれが悪くない感じ。むしろこの難解さ、複雑さがこの本の魅力だと言ってしまってもいいのではないか。5人の登場人物たちの混沌とした思考。連想、発想、脈絡がない脱線。人間の思考を言葉にしたとき、案外そういうものな気もするし、特に彼女たち自身混乱しているからなおさら。

 特に面白かったのは最後の妹さんの章。何せ句読点がないのだ。文の切れ目が見当たらない!最初は苦労したけれど、読み慣れてくると問題なく読めるようになるから不思議。

 私はこの本をまだまだ半分も理解できていないだろう。そういう感覚が強く残った。他の人の感想もぜひ読んでみたい。