アリ・スミス『ホテルワールド』感想
アリ・スミスの『ホテルワールド』を読みました。
難しかったし、読むのに苦労した、というのが最初の感想。でもそれが悪くない感じ。むしろこの難解さ、複雑さがこの本の魅力だと言ってしまってもいいのではないか。5人の登場人物たちの混沌とした思考。連想、発想、脈絡がない脱線。人間の思考を言葉にしたとき、案外そういうものな気もするし、特に彼女たち自身混乱しているからなおさら。
特に面白かったのは最後の妹さんの章。何せ句読点がないのだ。文の切れ目が見当たらない!最初は苦労したけれど、読み慣れてくると問題なく読めるようになるから不思議。
私はこの本をまだまだ半分も理解できていないだろう。そういう感覚が強く残った。他の人の感想もぜひ読んでみたい。