8月2日の書庫

本の感想を書くブログです。

ダースレイダー『武器としてのヒップホップ』感想

 ダースレイダー『武器としてのヒップホップ』を読みました。

武器としてのヒップホップ (幻冬舎単行本)

 実は再読。短い期間で二回読んだ。

 まず装丁がめっちゃ好きです。特に表紙。所有欲を満たせる。私は普段、ブックカバーをかけることは滅多になく、外で本を読む時は「どや!」という感じで皆様に見せびらかしているが(主に電車内)これは見せびらかしたいポイントが高い。どや~~~、と読んでた(当時)。

 ラッパーのダースレイダー氏からの提案。世界を、社会を知るための武器としてヒップホップはどうか。氏がヒップホップから得た見地が存分に描かれている。音楽的なことを言語化するのは難しそうに思うし、実際「いーや、よくわからんね」と思うところもあったのだけれど(ブレイクとか)ま、そういうものなのだろう、実感はそのうち追いつく、ということで気にせず読まれたし。

 やはり最初の「世界は混沌、カオスなんだぜ」というところのインパクトが大きい。考えてみればその通りだし納得していることであるはずなのに、どうも世界は混沌であるということを忘れてしまう。何故だ。わからない。過去に生きた人々が何とか作った秩序の下に生き、かつ、秩序を維持しようと無意識に努めているからか。混沌から秩序と、秩序から混沌を。ヒップホップのMCはそのゲートを作る、そういうイメージ。

 あとは、生きる上で「ベース」ってのは大事だなあとつくづく思う。学問においてはそれがその人その人の専門分野かもしれないし、ラッパーならヒップホップだ。私も何かベースを持ちたい。あるいは持っているのか?どうだろうなあ。ベースが世界を見る上での一つの尺度に、レンズになる。「道」が欲しい。それは最近の課題。