8月2日の書庫

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江國香織『とるにたらないものもの』感想

 江國香織さんの『とるにたらないものもの』を読みました。

とるにたらないものもの (集英社文庫)

 んんん~~好き。江國作品を読む2020であるけれど、この本は漏れていてたまたまSNSでその存在を知った。知ってまもなく、とある街を訪ねることがあって、そこのBOOKOFFで110円で売られていて「嘘だろ」と愕然としながらもちゃんと買いました。読みたいなぁと思っているときに、出会えるのは嬉しいです。古本も買うときは買います。

 江國さんのえがく空気感ってのが本当に好きで。ひとつひとつの出来事や物ものに対する愛情というか柔らかな、ときに面白がるような、そういうたっぷり感が私は大好きです。思考量がすごいなと思います。同じスポンジを見ていても、私と江國さんで考えること感じることは違うしそれは当たり前なのですが、その考えごとの深さがまるで違うのだろうなと思います。そして私は江國作品を読むたびに、斜め上を見上げたくなります。これぐらい深くたっぷりと考えてみたい、と。