江國香織さんの『いくつもの週末』を読みました。
読みながら何もわかっていない私はこれを小説だと思っていたのですが、実はエッセイでした。江國さんの結婚生活をめぐるエッセイ。
「自分だったらありえないな」とか「あるあるわかるわ~」と実体験と照らし合わせながら読むわけにもいかず、全然わからないからこそ面白い。何より江國さんが見る世界の描写がハッとするほど美しく(江國作品に通じる素晴らしい特徴です)それでもうお腹いっぱい満足満足な気分です。
結婚というのはとても個人的で主観的だなと思います。正解なんて無い。当事者にしかわからないことがあり、こうやって書き出されたところでわからないものはわからないかもしれないけれど、「そういうことはあるんだな」ということはちゃんと認められるようになりたいなと思います。あとがきが良かったな。「書いていいよ」って感じなんですね。