江國香織さんの『彼女たちの場合は』を読みました。
面白かったな~。なんだろう、特別何かが起こるわけではないのだけれど、常に何かが起こっている小説だなと思いました。もちろん起こった出来事から驚くべき出来事をピックアップすることはできるのだけれど、それは私から見た驚くべき出来事だし、彼女たちの場合は違うのかもしれない。『なかなか暮れない夏の夕暮れ』と似ている小説かもしれないです。そもそも、ストーリーがひとつの山の形(てっぺんが一番大きな出来事)になっていないのが江國さんらしいと言えばそうなのかもしれない。
以下、気になったところを箇条書き。
- 食べることとお風呂を愛してやまない江國作品の登場人物たち!
- その中でも逸佳は食べる行為を「ちゃんと」大切にしていなくて、いい
- 彼女たちの旅から波紋が広がり、彼女たちの家族に及んでいく過程も良い
- 残りのページが少なくなる=彼女たちの旅も終わりに近づいている
この小説は毎日少しずつだらだらを読みたい本です。それが叶わないなら、たっぷりと時間に猶予がある時にまとまった分量読みたい。長編を読むのは楽しいですね。エッセイとも短編集を読むのとも異なる満足感があります。