8月2日の書庫

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森田真生『僕たちはどう生きるか 言葉と思考のエコロジカルな転回』感想

 森田真生『僕たちはどう生きるか 言葉と思考のエコロジカルな転回』を読みました。

僕たちはどう生きるか 言葉と思考のエコロジカルな転回

 

 前提として、人の日記を読むのは面白い。何故なら私が書いたものではないからだ。

 新型コロナの流行を経て独立数学者が考えたことがつらつらと描かれている。数学の話はほとんど出ない。生き物と土の話がたくさん出る。

 本当は、その結果がどうであれば、同じように私たちもとことん考えてみるべきことなのだけれど、考えられていないのではないか。そう、自分たちはどう生きるか、ということについて。

 自分がどう生きるのかということについて考えられていないというのは、自分の人生に対して怠惰なのだろうと思う。怠惰が悪いか? いいや、別に悪くないだろう。そういう人生を歩むならそれはそれで良し。夏目漱石『こころ』の「精神的に向上心のないものは、馬鹿だ」という言葉が頭にちらつく。

 人は何か事が起きないと行動しないということについて興味が出てきた。例えば日本における地震とかが当てはまるだろう。コロナという外因によって強制的に生き方を変えるのではなく、緩く徐々に暮らし方を変えることはできないか、私も考えていきたいと思う。