久々の未読の恩田陸作品…。こう読んでいると安心する文体…(それが自分にとっては良いか悪いかは別として)。
面白かったなぁ…。恩田陸作品、お喋りな人もよく登場するけれどこの作品は「聡明な人」ってのが主軸だった感じがした。物事に対する温度が一定で思慮深い人たちの物語。
へー、そういうもんですかい、って感じで読めました。魂と魂で結ばれていて惹きつけられるけれど、同時に離れなければならない。これ、だいぶしんどいなと思います。この状況が生まれたきっかけとなるエリザベスの物語、個人的にはかなり「そうだよねー」と思うところがあって、完璧を求めるがあまり一点の黒も見過ごせないってのはわかる。が、それでもなお恋しく不足を感じ近づいてしまうのが人間の性な気がするのに、エリザベスはそこを完璧なる理性でコントロールしちゃっている感じが今回の悲劇を生んでしまったのでしょうか。
まだまだ理解できているとは思ってないからこの感想を適切だとは思わないけど、私はこれを「悲劇」と呼びこのループを「呪い」と考えてしまいます。私なら「エリザベス」になるのは御免だな。それは、生まれ変わりだとは思ってないから故の感想だからなのだけれど(自分の人生を歩いていながら、突如自分が何者であるか気づいて奔走せざるを得ない、というのは嫌)生まれ変わりだとしたらどうなのだろうな。んー、感想が書きにくい。まだまだ掘り下げが足りない、と感じます。
ということで、終わります。これは恩田陸小説の好きなところだけれど、メロドラマと言いつつ、どっぷりと落ちないハマらない沈み込まないドライさが、私はいいなと思います。