近藤聡乃さんの『A子さんの恋人 1巻』を読みました。
ええと…読んだきっかけはこれです。青山ブックセンターが好きなので。そして私は漫画を買うのが苦手。先にこの話しようかな。
漫画より本を読んできた人生で、しかも読む漫画は軒並み少年漫画で。私には漫画をどう読んでいいのかわからないというちっぽけな悩みがある。
例えば巻数が多い漫画に苦手意識を持っていて、それは単純に「巻数×一冊当たりの値段」を考えてしまうという世知辛い話なのだけれど(コスパという言葉は嫌いだ)なかなか物語が終わらないということがどうもストレスであるようだ。自分がかなり飽き性であるということとも関係していて、漫画が終わるまでテンションを保つことができないという悲しさを味わってきた(どちらというと私という人間の短所)
悲しいので私は漫画に「期待しない」ことにした。「期待しない」というのはカギカッコ付の表現であり(漫画は好きだし漫画だからできることがあることも知っている)結論としては「漫画は大体1巻しか買わない」という謎の試みをしている(スケッチーは2巻までちゃんと買ってしまっているが)。数か月前から。続巻が確認されても買わない。中途半端な第5巻だけ買うという暴挙に出たこともある。続かない前提で漫画を読むことで、私は一冊をきちんと読み切りたい。謎の試みだ。正直あんまり良い考えではない気がするが(漫画好きの人からすればどうなのでしょうね)私だって漫画を読みたい!色んな漫画を読みたい!と考えた末の暴挙なのでしばらくはこれでやっていこうと思う。
そして1か月1漫画。別に1作品にこだわる必要はないのだが、それぐらいのペースでじゅうぶん漫画欲が満たされるからいいってことで。7月は近藤聡乃さんの『A子さんの恋人』を買いました。
面白かった…。A子さんは日本にA太郎、アメリカにA君をそれぞれキープしている、結果的二股状態なのだけど、これは消極的二股状態でもあり、切れないA子さんのダメさに途中からイライラしてくる…けど面白い。日常の悪友たちとの会話とかA太郎の方が上手なところとかそこがきっちり描かれているからかなと思う。A子さんは29歳なのだけど、結婚を意識しての二股というよりは生来の気質っぽくてそれも何だか安心する。女性としての生き方どうするの?という話ではない、気がする。1巻を読んだ限りでは。
出てくる登場人物たちもどこか欠けているというか、市井に生きる人ってほんのちょっとどこかおかしいところある?それが描かれている。A子ちゃん、それはおかしいよどうして切らないのそれは不誠実ってことじゃないの切らないならもうちょっと関わりなよ何でそんなにダラダラしているの?って誰も言わない。でも、案外そんなものかもしれない。ほんのちょっとした歪さに私は安心してしまう。正しいことを言う人は怖いもの。
A子さんにとってのA太郎やA君が、栄太郎にエイドリアン君になる日が来るだろうか…さてそれは、どういうことを意味するのだろう。まあこの1巻しか読まないかもしれないけど(6巻まで続いている)とにかくこの1巻は面白かったです。