南直哉『仏教入門』を読みました。
最近、仏教について知りたいなあと思っていたところだったので「入門書」を手に取ってみた。結果的にエキサイティングな内容だったのでとても面白く読めた。
入門書の定義は人によって多少変わると思うが、自分の中で入門書に求める要素としては、
- その分野は面白いんだぞという気迫を感じられる
- その分野の主要な要素を概ねカバーしている
この2つなので、この入門書は満たしているのでは?後者については私が仏教について何も知らないので現時点で判断はつきかねるが…多分網羅している?そして入門書を読んで「お、この分野について次はどこへ行こう?」と読者に思わせることができれば入門書の役割を全うてきているのではなかろうか。
この本は非常にハードである。入門書と言いながら南氏の独自論も展開されている(普通は一般論をメインに取り上げそうだけど)。独自論についても「これは自分の見解だが」という断りが入っているので問題がないだろう。「はじめに」でも上梓の経緯みたいなものが書かれているので、この本のスタンスさえ見誤ることなければいい入門書になるのではないか(まあ、相当面白かったのだ)。
仏教の考え方に親しみを覚える。この世は苦しみがベースだ。そこからどう生きるかの一助として仏教についてもっと知ることができたらいいなと思う(私は仏教にまだまだ賭けられそうにない)。