8月2日の書庫

本の感想を書くブログです。

芥川龍之介『蜘蛛の糸・杜子春』感想

 芥川龍之介の『蜘蛛の糸杜子春』を読みました。

 

蜘蛛の糸・杜子春 (新潮文庫)

蜘蛛の糸・杜子春 (新潮文庫)

 

 

 世の中に流布されている本の感想を読むのは、本の感想を読む楽しさをより増してくれると思う。たくさんの人が読みたくさんの人が考える。それを私のと比較する。楽しい。

 何故か手元にあって、さて、どこで手に入れたのだろうと考える。多分高校の時に「読め」と買わされたのか、あるいは確か国語の教科書に載っていたと思うのだ、よほど印象に残ったのか?あとから自分で買ったのかもしれなかった。なんにせよ、この本税別で286円。牛丼一杯より安いのに人生を通して楽しめる作品なので、買った方がいいなと思いました。あんまり近代文学(なのかな、芥川は)を読んだことがなくて、でも読みたいと思った時に読めばよくて、今がその「読みたい」タイミングなのかもしれない。読もう。

 

蜘蛛の糸

 『蜘蛛の糸杜子春』は教訓めいた話が多いのだけれど、ではこの短い話の教訓は何だろうと考える。「犍陀多のようになるなよ、縁を大事に人のことを思いやれる存在になりなさい」に行き着くのかなと思うのだけど、私はこの話、怖いと思う。どちらかといえば「あなたも所詮は犍陀多と同じですよ、それを自覚して生きなさい」というメッセージに思えてしまう。さほど自分を信用していないのだ。人間どうしても利己的に生きてしまいがちだけれど、そういう自分を自覚することで少しでも他者を思う心を持てたらいいね。「自分は犍陀多のようにはならない」というのは、私にとってはなかなかしんどい生き方なのである。

 

犬と笛

 芸があるといいな、と思いました。

 

蜜柑

 列車から吐き出されるモクモクとした煙。何度も何度もトンネルに入るたびに薄暗くなる車内。灰色の世界に差し込まれる蜜柑の鮮やかな橙色。天才か(天才なのだろう)。

 

魔術

 話が好き。魔法を使う人が普通の世界にいる感じが。

 

杜子春

 杜子春幸せに生きな、と思いました。

 

アグニの神

 話が好き(二度目)

 

ロッコ

 好き!!!!!!!!!!!!

 

仙人

 こういう話、思いつかない。すごい。

 

猿蟹合戦

 最後の一文に痺れる。

 

 白、幸せに生きなね。

 

 

 ということで、重ねて言いますが、ワンコインでお釣りが返ってきます。読んでて楽しかったです。